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2019.07.12

マイクロチップ

さて、以前の記事で改正愛護法について少し触れましたが、今回は改正愛護法で何が変わったのかをお話ししたいと思います。

 

まず、動物の虐待についての罰則が強化されました。

旧動物愛護法では、動物の殺傷については、2年以下の懲役または200万円以下の罰金であったものが、5年以下の懲役または500万円以下の罰金へと厳罰化されました。

動物の遺棄に関しても、100万円以下の罰金であったものが1年以下の懲役または・・に変更に。

 

そして、動物の販売に関しては、生後56日以内の販売は厳罰化になります。

犬猫は生まれてから生後3〜4ヶ月の間にお母さん犬や他の兄弟と触れ合い、“犬づき合い”を学びます。例えばどれくらい噛んだら怒られるのか。兄弟と遊びを通じて徐々に感覚として覚えていきます。この“自分以外の動物”との触れ合いかたを学ぶことができないと、加減を知らないで大人になり、手がつけられない犬・猫になってしまいます。

 

上記の法律はあまり飼い主さん本人に直接関わることではありませんが、次の内容は少し知っておいてほしい法律です。

 

ほとんど全ての飼い主様に関わってくる法律が、マイクロチップの装着に関しての法律です。

マイクロチップとは、肩甲間部に入れる個体識別を行うためのとても小さなICダグで、内部にはICチップとアンテナが入っています。大きさは8~12mmほどの円筒状で生体適合ガラスに覆われています。

生体への影響はほとんどなく、この装着によって具合が悪くなるなどといった報告は今の所無いようです。レントゲンやCTも問題なく取れます。MRIに関しては装着部分付近5cmくらいに若干画像の乱れができるようですが、それもほぼ診断に影響の無いところになると思います。

 

このマイクロチップを入れることにどんな利点があるかというと、首輪や名札などに比べ、生体からの脱落がないため、汚れや紛失のリスクがないというところです。ただし、マイクロチップを挿入するだけでは意味がなく、マイクロチップを入れた後に登録を行わなければいけません。

マイクロチップには15桁の数字が記録されており、専用の機械でこの数字を読み取り、これを元にその子の情報を割り出します。

東日本大震災では、マイクロチップは入っていたものの、登録をしていなかったために飼い主がわからなかったという事例が多数ありました。

 

ではマイクロチップさえ入れていれば首輪や名札は必要ないのか。というと、そうでもありません。

マイクロチップは専用の機械がないと読み取れず、さらに読み取っただけでは飼い主さん情報を知ることはできません。

このため、迷子のワンちゃん・猫ちゃんを見つけたとしても、すぐに飼い主さんの元へ返してあげることはできません。

 

どんな人にも、『この犬(or猫)は私の家の犬(or猫)ですよ〜!』と手軽に知らせることができるのは、やはり首輪名札への記載になります。

 

このマイクロチップの装着は3年を目処に施行されるようですが、当面の間一般の飼い主さんは努力義務となるようです。

しかし努力義務。といっても、迷子になったら・・災害で離れ離れになってしまったら・・ということを考えると、この愛護法の改正をきっかけにマイクロチップの装着をご家族で考えてみるのも良い機会かな思います。

 

ペットショップさんからワンちゃん・猫ちゃんを迎い入れたという方は、ペットショップさんの方ですでに入れられていることも多いので一度ご確認ください。まだ入ってなくて、これから是非入れたい。と言う方はあらかじめ病院までその旨をお伝えいただければチップの方をご用意いたしますのでLINEまたはお電話にてご連絡ください。

 

改正愛護法の変更点は以下にまとめてみました。