だいぶ日にちが過ぎてしまいましたが、先日、重度の貧血と血小板の低下がみられるワンちゃんがご来院し、輸血の処置をしたことがありました。
人の場合、輸血が必要となった場合、病院で保管している血液のバックを持ってきて、即輸血という流れになりますが、
なかなか動物病院の場合は常に輸血バックを保管しておくということが難しいので、輸血が必要になった場合は、大型で若いワンちゃんに協力してもらって血をいただくということになります。
動物病院の中には、供血犬として病院で大型の犬を飼育しているところもありますが、当院ではそのような若くて大きな犬はいないので、知り合いの獣医師にワンちゃんを紹介してもらってご来院していただき、血を分けてもらいました。
輸血の前に、それぞれのワンちゃんの簡単な血液型の判定を行います。
これにより、血液型としては輸血できるであろうということがわかったので、次はクロスマッチという、実際に輸血したときに拒絶反応がないかどうかの検査を行います。
この日はどちらもクリアし、無事輸血を行い、翌日手術や骨髄の検査も行えました。
今回適応した血液型・拒絶反応がないというワンちゃんがご来院してくださったおかげで輸血できましたが、ワンちゃんや猫ちゃんの輸血は供血出来る子が身近に多くいないため、とても悩ましい治療です。
何か輸血同盟のようなものができるといいなとは思いますが、病気のワンちゃんはもちろん、血を分けてくれるワンちゃんにとっても負担のかかることなので、理想は早く人工的に?血液を作り出せるといいなと思っています。
ワンちゃんにとって一番の支えである飼い主さんもほぼ毎日お見舞いに来てくださり、一度は退院の運びとなりましたが、再び貧血が進んでしまったようです。たくさんの支えの中でなんとか回復してくれるように願っています。