スタッフブログ

2021.04.25

寄生虫ゾクゾク

今年すでにマダニ、フィラリア、その他寄生虫感染が続々確認されています。

こちらは血液中のフィラリアの子虫動画です。

フィラリアは、を媒介として感染する寄生虫です。 蚊に刺されることでできた傷口からフィラリアの幼虫が筋肉内に移り、2ヶ月ほどで血管へと入っていきます。 血管は出口がないため、一度血管に入ると駆除することが大変です。

この感染例は、残り1、2ヶ月のお薬投与をしなかったために感染したワンちゃんです。

フィラリアのお薬は、まだ皮下・筋肉に留まっているフィラリアを駆除する駆虫薬なので、「涼しくなってきたから・・」「もう寒いから蚊はいないだろう・・」と残りのお薬をやめてしまうと感染するリスクが高くなります。(あと、せっかくこれまであげてきたお薬代も無駄になってしまうので、もったいなくなってしまいます(泣))

地域によって投与期間は異なるので、必ず動物病院で指示された容量用法を守って与えてあげてください。 (自動販売機などのあったかい場所に隠れて冬場もチラリと目撃する蚊もいたりすることや、ダニ予防は期間が長いので通年予防されている方もいらっしゃいます。 採血が苦手な方も、通年予防だと次回から採血なしでお薬処方できるのでそうされている方もいらっしゃいます。)

 

残ったお薬があるからと、投与始めの検査をせずに投与を開始してしまうこと / 人からの譲渡を受けることも大変危険です。 先にもお話したように、血管は出口がないため、感染している中フィラリアの駆除剤を与えてしまうと死んだフィラリアから出される物質によりアナフィラキシーショックを起こしてしまったり、死んだ虫がどこかの血管で詰まってしまうとそこから先が壊死してしまいます。(心臓で詰まると死に至ってしまいます。)  

 

次はマダニです。 近年よくニュースにもなっているマダニから感染する重症熱性血小板減少症(SFTS)は、今年もすでに発症例が報告されています。 

こちらの画像は血を吸ってパンパンになった飽血成虫のマダニ。

寄生したてはずっとずっと小さく、見逃してしまいそうなくらいの大きさですが、血を吸うと大きくなり、綿棒の先程の大きさにまで膨れあがります。

当院にご来院されたワンちゃん・猫ちゃんも、ダニをつけていらっしゃる患者様がすでに多くいらっしゃいます。(ダニ1000匹ほどいた猫ちゃんもいらっしゃいました・・・)

お薬による予防だけでなく、お散歩から帰宅したら入念にブラッシングをしてあげること、飼い主様も、草むらに行く際は長ズボンを履くなど、十分ご注意ください。

 

そしてこちら↓は、マンソン裂頭条虫の虫卵です。

ヘビカエルを食べることで感染してしまう寄生虫です。 人も直接ヘビやカエル・ミジンコ等を食べると感染の可能性がありますが、ワンちゃん猫ちゃんからは感染することはありません。

糞便中にはその他にも螺旋菌が多数いました。

 

最後のご紹介は、シラミ。 なかなかのビジュアルです・・・

とうわけで、ゾクゾクしちゃう寄生虫感染が相次いでいます。 注意!!!!!