自分が興味をもっている(?)せいか、縁があるからなのか、なぜか蜂蜜屋さんと出会うことが多いような気がする私。
ちなみに蜂関連の思い出としては、我々の時の獣医師国家試験でも家畜伝染病として腐蛆病(フソ病)が出題されました。(もう10年も前)
大学時代の愛護活動でお世話になって以来、今でもお付き合いのある獣医さんが現在養蜂家をしていることもあり、そちら(Bee hive japan)の蜂蜜は定期的に贈り物用として使わせていただいています。(左のハチミツがそうです。)
さらに今年、富谷市にできた富谷市観光ステーション(とみやど)内にEight crows japanさんもあり、ますます蜂蜜に対する魅力にハマっています。
(写真はないのですが)以前セルバで開かれたマルシェで出会った秋保にある森のはちみつさんも色々な花から採られたハチミツがどれも美味しく、とても印象深かったです。
これらの蜂蜜屋さんで共通なのが、非加熱のはちみつを扱っているということ。加熱していない生はちみつには熱に弱いビタミンや酵素が失われず残っているため、体にとってとても良い栄養がたっぷり含まれています。
また、はちみつには殺菌作用や保湿効果があるため、当院でもマヌカウォッシュバー、マシュマロはちみつ泡パックなど、グルーミンググッズに蜂蜜由来のものを取り入れています。
食べても良し、外用として使っても良しの蜂蜜。
その蜂蜜は多くの人にとっては幼い頃からのとても馴染みの食べ物ですが、蜂が一生のうちに集められる蜂蜜の量はわずかスプーン1杯ほどしかないそうです。
スプーン1杯なんて、朝食やデザート1回分であっという間に使ってしまう量ですが、蜂にとっては命をかけて集めた量なんですね。
この蜂蜜は、もちろん蜂が人間のために作っているわけではなく、蜂の子供たち、言ってみれば未来の命の存続のために一生懸命花蜜を集め、自身(蜂)のもつ酵素と合わせて作り上げたもの。
一般的にスーパーで売られているような加熱蜂蜜は、人工的に熱を与え水分を蒸発させ完熟する前に効率よく蜂蜜として採取するのに対し、生蜂蜜は自然の蜂の羽ばたきだけで水分を飛ばした自然に近いもの。
花蜜の水分が80%に対して、蜂蜜の水分量が20%ですから、この水分量を羽の羽ばたきだけで下げるなんて、小さな蜂の体にとてつもないパワーがみなぎっているのがわかります。
この小さな蜂たちも、とてつもない力を持っている虫ではありますが、自然の中では弱い立場でもあり、環境の変化により大きな影響を受けてしまう存在です。
地球温暖化をはじめ、お米や野菜の農薬、家庭園芸用農薬などに含まれるネオニコチノイドは、ミツバチたちの神経に影響を与え、蜂の大量死につながっています。
実際関連の実証はできませんでしたが、農薬が撒かれるような時期に脱走してしまったという猫ちゃんが急性腎不全となり亡くなった例が続いたことがあります。
我々人間と違い、知識や衣服で身を守ることができない小さな命たちは、一番先に環境の影響を受け、命の危険に晒されてしまいます。
私たちが小さな命から大きな恩恵を受けている以上、これらの環境問題に関して無関心ではいられず、感謝と慈しみの気持ちをもって向き合い、守っていかなければならない問題だと思います。
命をかけて子孫のために働く蜂の行動は、我々人間とそう相違はないはず。 自分たちのことだけを考えていてはいずれ自分にそのツケが返ってきてしまいます。
私の今まで出会った養蜂に携わる人たちへ魅力を感じてきたのも、その人たちがそんな小さな命から通じる大きな世界に向き合っているからなのかもしれません。