お久しぶりの投稿になります。
4月の投稿も1度きりで、すでにGWさえ終わろうとしています。というか終わりましたね。
4月は狂犬病予防やフィラリア予防、健康診断などでお久しぶりにお会いできるワンちゃん猫ちゃんたちも多く、とっても嬉しい月でした!
しかし、今年は例年の4月よりも、体調不良で来院される子も多かったかな・・という印象でした。
ようやく桜が満開になったと思ったら、あっという間に雨で散ってしまったり、
4月29日も急激な気温の低下でスタッフの自宅地域に積雪があり、その翌日は雪かきのため、朝いつもの時間に来られず。。ということもありました。(嘘のような本当の話です。誰もこの時期雪で遅刻なんて信じませんよね^^;)
この嘘のような本当の天候のせいもあり、来院理由に多かったのが“嘔吐・下痢” という胃腸の不調。自律神経が大いに乱れていそうです。
そんな私も先日謎の腹痛に見舞われ時間外外来を受診してしまいました。
冷えたり汗をかいたり、着るものも悩ましい日々に、体がついていけないのも無理はないのかなと思います。
さて、こちらは偶然ですが、この連休中の来院理由で続いたものといえば、紐状異物の誤飲。
ちなみに紐を飲み込んでしまった場合は致死的な状態に陥ってしまうので、この機会にこちらでご紹介したいと思います。
わんちゃん・猫ちゃんが誤飲誤食を主訴に緊急来院することは動物病院で多々あることなのですが(特に、ご家族との団欒時間が始まる夜7時前後が一番多いです!! 動物病院は夜7時まで診療。というところが多いので、ほんとお気をつけください!)、
中でも厄介な異物が“ヒモ”。
厄介なのに、とりわけ猫ちゃんにとってワクワクしてしまう動きをする代物がヒモ。
ネズミを獲るのがネコ、ヘビを獲るのがヘコ、鳥を獲るのがトコと言われるくらい、紐ってヘビのような動きをするので猫の本能を掻き立ててしまうんですよね・・・・・。
もれなく紐の魔力に翻弄されてしまった猫ちゃん2人が偶然にもこの連休中続きました。
1人は誤飲して比較的早い段階で取り出すことができたので、術後すぐ退院できたのですが、
もう1人の方は飲み込んだことにすぐには気付くことができず、、
体調に不良をきたして時間が経ってから、お子さんが「そういえば遊びに使っていた紐が無い・・」ということで、紐の誤飲疑惑が浮上してきたわけです。
緊急手術となった日は、ちょうど予定されていたオペがキャンセルとなり、オペ予約に空きが生じていたときでした。(そうでなかったら、緊急手術のため午後の診療時間を・・のLINEが配信されていたことでしょう。)
紐状異物がなぜ致命的になるかというと、
蠕動運動(腸の内容物を出口の方へ運ぶ運動)に伴い、腸が手繰り寄せられてしまい、ビリビリに裂けて腹膜炎になってしまったり、血行不良を起こし壊死につながってしまうからです。
一般的に紐を飲み込んでしまった時の腸はアコーディオンに似ていると言われますが、
お裁縫をする人だと、ゴムパンツやスモックの襟袖のクシュクシュ部分を想像してもらうと、なんとなく雰囲気がわかるかも??しれません。
あのゴムを通す部分を腸だと思ってもらえたら、ギューっとする感じがなんとなく理解してもらえるのではないでしょうか・・・。
文章で伝えるにはなかなか限界があるので、実際にヒモによりアコーディオン状になった腸のお写真をご紹介したいと思います。苦手な方はご注意ください。
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・・・あぁ、確かに似ている。 と感じていただけたでしょうか。
紐を取り出して正常になった腸と比べると、よりわかりやすいかもしれません。
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血行も悪くなっており、腸が鬱血した状態でしたが、破けていなかったのが幸いです。
手術により取り出した紐はこちら。
ついでにもう1匹の猫ちゃんの紐はこちら。
どちらも、どこのご家庭にあってもおかしくない、一般的なヒモですよね。
皆さんのお宅にも、このような紐が動物たちの手の届くところに置かれていないか、この機会に一度確認してみてくださいね。
もしかしたら「いつかアレ(紐)で遊んでやろう。。」と目を光らせて待っている猫ちゃん・わんちゃんが側にいるかもしれないですよ。