スタッフブログ

2024.02.28

ワクチンアレルギー

春健康診断キャンペーンは、ご予約開始とともにお電話・LINEでのお問い合わせが多数寄せられました!

当院オリジナルノベルティ(画伯ファイル)もすでに残り半数を切りました☆

画伯ファイルを狙っている・・という方はお早めに(笑)

初日に予約のお問い合わせが集中すると思うので、この後の予約の埋まり方はゆっくりかと思いますが、飛び入り健康診断の方にも3月1日からお配りしていくのでおそらくすぐに数量に達してしまうと思います。

※ちなみに、当院の電話は話中の場合でもツーツー音が鳴りません!受話されない時は話し中の可能性が高いので、時間を置いてから再度おかけ直しください。

LINEでも健康診断のご予約はできますが、診療に携わっているため通知を切っておりますので、確認するまでにお時間をいただいております。また、木曜日にご予約をお入れする際は、木曜日の申し込みテンプレートに従ってご連絡ください!(※木曜日のご予約は、文頭は必ず【木曜午前予約診療】とお付けください。)

 

さて、春は健康診断!の季節ですが、同時に狂犬病だったりフィラリア予防だったりと、全体的に〝予防シーズン”であります。

健康診断に来たついで、狂犬病の予防接種や混合ワクチンを接種するご予定の方も多くいらっしゃいます。

かねてより、予防接種にいらっしゃるという方にはご案内をしているのですが、予防接種で受診される際は、できれば午前中午後の早いお時間をお勧めしております。

その理由を以下にご紹介いたしますね!

こちらは先日ワクチン接種にいらっしゃった、可愛いシェルティとポメラニアンのミックスさん。子犬さんの頃は、免疫を上げるため、初年度は複数回接種することが一般的ですが、この子もこの日が2回目のワクチン接種でした。

初めましての子で、スタッフとも、この子が帰られた後も『可愛かったね〜』と言っていたのですが、お昼の手術の時間にご連絡があり、再度ご来院されたのです。

いらっしゃった時の状態がこちらです。

お顔が腫れて、パンパンになってしまっています(特に上のまぶたのフチが赤くなり腫れて重そうになっています)。

ワクチンアレルギーの状態です。

 

この子は一度お預かりをさせていただき、処置をし、夕方には無事状態も安定したためお迎えに来ていただきました。

お帰りの時のお顔はこちら。

すっかり元通りです。

 

ワクチンアレルギーは、いつどのタイミングで発生するのか不明確です。初めてのワクチンで発生してしまう子もいれば、2回目、3回目、1年後、2年後になる可能性もあります。

このため、アレルギー反応が起こっても動物病院を受診できる時間帯でのワクチン接種をお勧めしています。

病院の終了間際に接種して、帰宅してからアレルギー反応→かかりつけの病院に電話しても繋がらない、夜間救急もやっていない時間帯、夜間救急に行くまでにとても時間がかかる・・などですと、状態も悪くなってしまいます。

(当院は時間外になると院外でも繋がるように携帯電話に転送しているので、病院の電話番号にかけていただいてもお電話はつながります。)

幸い、こちらのワンちゃんは午前中にワクチンを接種してくださったので早急な対処をすることができました。

 

ところで、このようにワクチン接種でアレルギーが出てしまった子は、今後どうすれば良いのでしょう? アレルギーが出る心配があるからと、以降のワクチン接種を全く控えてしまうと、今度は感染症にかかってしまい命を落としてしまう危険性があります。

ワクチンアレルギーを発症してしまった子に対しては、ワクチンを接種する前にアレルギーを抑えるような処置をしてから接種をする。あるいは定期的なワクチン接種の前に抗体価検査を行い、抗体価が下がった時だけワクチン接種を行うようにします。

よく、『海外では◯年に1度のワクチン接種になっているけど、うちの子もそれで良いんじゃないの?』というご相談をいただくこともありますが、そこは半年から1年ごとに抗体価検査を行い、抗体価を確認した上接種時期を決定していくということになります(その結果として2年に1回の接種になる子がいたり、3年に1回でも大丈夫だった子がいたりします)。

すべての子が数年おきの接種でOKというわけではなく、体質や予防したい病気によっては1年で抗体価が切れてしまうものもあるため、抗体価検査をせずにワクチン接種の間隔だけを安易に空けてしまうのは危険なことです。

 

特にワクチンに対してアレルギーがあったわけでないという子も、飼い主さんがワクチン接種自体に抵抗があるという場合、抗体価検査してから接種するという流れをとることもございますが、日本の動物病院では現状1年ごとのワクチン接種が多くなっております。

その理由はなぜでしょう?

例えば5種ワクチンを接種していたワンちゃんに対して、1年後ワクチンの追加接種を検討するために抗体価を検査した場合を考えてみます。

このとき5種ワクチンに含まれる5種類の病気に対する抗体価を検査した結果、うち2項目が病気を予防するのには足りない抗体価を示したとします。

この場合、本来その足りなかった2項目だけを追加接種すれば良い。と考えるのですが、残念ながら1種類ずつ(バラで)接種できるワクチンが存在しないため、「抗体価が足りない部分だけ足す」といった接種方法が選択できません。※例外として、過去に1種ワクチン(犬パラインフルエンザ)、2種ワクチン(犬ジステンパー+犬パルボウイルス)がありましたが、現在でも流通しているかは確認できていません。)

そのため、この子の病気を予防するためには抗体価が十分な項目を含めて結果的に5種混合ワクチンを接種することになるのです。

 

また、多くの場合、検査のために採血→さらに必要性があった場合は再来院してワクチン接種という流れが、ワンちゃんや猫ちゃんに立て続けに怖い思いをさせてしまうこと、抗体価検査は採血による負担だけではなくコストもかかる(ワクチン接種よりも高額になるケースもあります)などの理由から結果的に定期接種の決断をされる方がほとんどかなという印象です。

抗体価検査が大切なのはいうまでもないのですが、現状ではまだ一般的と言えるまでには至っていない印象があります。

 

ワクチンアレルギーは、どのタイミングで発症するか不明確と冒頭に書きましたが、ワクチンの種類犬種などにより発症しやすさに差はありますので、ご心配な際はその子の生活環境ライフスタイルをお伝えいただき、都度ご相談いただければと思います。