少し前のお話になってしまいますが、ニュースで話題になっていた、サプリメント服用に伴う健康被害に関連したお話を。
院長もコレステロール値が高く、コレステロール対策のサプリメントを飲んでいた時期があるのでその報道が出始めた頃は、ドキリとしてしまいました。
院長の飲んでいたサプリメントには疑わしいとされる成分は使用されていなかったのですが、色々なサプリメントや食品に使用されているものなのでとても心配でありました。
しかし、今回の件で、私なりの視点で感じたことは、
このサプリメントが、所在の明確な製薬会社さんで作られ、量販店さんなど正規ルートで卸され、そして販売され、購入先が明らかになっているものだからこそ報告が上がったり、原因の究明に尽力してくれたり、責任を負ってくれたりという流れになっているのではないかということです。
ネット社会となった今では、簡単にサプリメントや食品がボタン一つで配送してもらうことができ、中には本来医師や獣医師の処方がなければ購入できないような薬や処方食まで見かけることもあります。
厚生労働省も注意を促していますが、個人輸入でお取り寄せできるようなものもその一つで、
一見便利そうですが、もしその商品が偽物であったり、食べたり服用して健康被害にあっても責任を負うのは自分になってしまうということだということをあまり意識して購入されている人は少ないのではないでしょうか。
過去に実店舗で販売されていたアサリやウナギでさえ偽装されていたものだったというくらい、本物でないものが紛れ込む危険性がある中で、実体が目に見えないネットのお店で販売されているフードやお薬が正しいものであるという保証はどこにもありません。
もしかしたら、別の成分で置き換えられたものかも知れませんし、保管状況もどういうところで保管されているか、わかりようもありません。もしかしたら高温多湿の環境、害虫やカビが蔓延している場所で保管されているということもあり得ないことではありません。
当院に卸されているお薬・サプリメント・フードも、業者さんが品質維持のため適正の環境で保管管理しており、実際使用された後に患者さんの治療経過がどうだったか、フレーバー錠であれば美味しく食べられたか、何か使用しているときに困ったことはないかなど都度聞いてくださいます。
こちらから飼い主さんの声を届けることもあり、要望等も聴取後にメーカーとして検証・検討してくださっています。
体に取り入れるもの、病気を治療するもの、病気を予防するものであれば、より一層信頼と安全が確保されたものを使用したいものです。
今回はしっかりしたメーカーさんでこのようなことが起こってしまいましたが、だからこそ被害が報告され、因果関係が疑われた後の被害が食い止められ、原因究明や補償等の手続きが行われることになったのではないかと思います。
このようなことを踏まえ、皆さんには流通不明確なものには十分注意していただきたいと思います。
もちろん、お知り合いへのお薬の譲渡も、授受もしてはいけません!
万が一のことがあった際に責任の所在がどこにあるのかを常に気にしてほしいなと思います。
もうすでにこの時期は全ての方がフィラリア・ノミマダニ予防のお薬投与を開始しておりますが、動物病院から処方されたものは、“その時期・その子“に処方されているものでありますので、必ず指示された用法容量で使い切ってくださいね。