スタッフブログ

2024.07.19

カビ大喜び

梅雨時期から気温が上昇する夏にかけてはカビがもっとも生えやすい季節です。

カビは、皮膚病や呼吸器へ悪影響を及ぼすため、病気予防のためにできる限りカビが生えないよう環境を整える必要があります。

生活環境の湿度・温度管理はとても重要で、湿度40〜60%気温18〜26度を保つことが大切です。気温は、犬種により暑がり/寒がりなわんちゃん猫ちゃんがいるので、お留守番中は温かい/涼める環境どちらも用意してあげると良いでしょう。

エアコンだけでなく、湿度や熱がこもらないよう、サーキュレーター等を活用しながら温度・湿度管理をしてあげてください。

 

人の方でも、この時期はマラセチア性毛包炎に注意!とニュースでも取り上げられていました。

健康なわんちゃんでも、常在としてマラセチア(酵母様真菌)は皮膚に存在しているのですが、代謝異常・内分泌異常・食物アレルギー・アトピーといった基礎疾患を抱えていると増殖し、皮膚が脂っぽくなったり痒み・赤みなどの異常を引き起こします。

人用ですとコラージュフルフルといったシャンプーが売られていますが、動物用だとマラセブシャンプー/マラセキュアシャンプーを使用している方がいらっしゃると思います。

こちらのシャンプーは確かにマラセチアによりベタベタした脂汚れをすっきりと洗い流し、抗菌・抗真菌の成分により細菌やマラセチアの増殖を抑えてくれる作用がありますが、たまに皮膚の状態が良くなってからも、「以前使っていた」という理由のみでずっと継続使用されている方がいらっしゃいます。

シャンプーといっても、抗菌・抗真菌成分を含むものですので、必要な場合以外でも安易に使い続けてしまうと、抗生剤の不適切使用と同じく薬剤耐性真菌を生み出す原因となってしまいます。(下水への垂れ流しは薬剤耐性菌・真菌の原因となリります。)

薬用シャンプーが不要となるくらい状態が良くなったら、デイリーケア用の低刺激シャンプーに切り替えてあげてください。

薬用シャンプーも、薬と同じく、症状に合わせた適切なもの適量、適切な期間(頻度)使用することが大切ですので、皮膚病の治療維持でご使用の方は、都度動物病院に相談しながらお使いいただくことをお勧めします。

その際、シャンプー剤だけでなく、是非保湿剤も合わせてご相談されると良いと思います。シャンプー後はどうしても皮脂が落とされ乾燥しがちになりますので、皮膚のバリアを失わないために保湿剤も合わせてお使いください。

ちなみに、当院ではマラセチア皮膚炎でベタベタしてしまった子のために、グルーミングのオプションとしてクマザサ温浴などもご用意しております。これからの時期、ベタベタ汚れが気になる方はシャンプー時にオプションとしてご利用できますので診察時にぜひご相談ください。