スタッフブログ

2024.08.26

2024年夏の!獣医さん体験

今年の〝夏の!獣医さん体験も無事終了することができました。

ここ数年は、お盆期間に連続日程で獣医さん体験を行なっていたのですが、今年はすでにお昼の時間に手術やトリミング等の予約が入っていたため、飛び飛びのお日にちでお盆過ぎの平日2日で開催することとなりました。

日程を熟考するあまりこのようなギリギリの日取りになってしまったのですが、なんとか子供達の夏休み期間中に開催することができてよかったです。

今年も、予約受付のLINE配信をしてすぐに多くの方からご予約希望の連絡をいただき、あっという間に枠が埋まってしまいました。

毎年リピートされる方も少なくないイベントでしたので、今年は新規のご希望者様優先として受け付けさせていただきました。

しかしながら、イベントが近くなったあたりでご体調を崩されてしまった参加予定者様もいらっしゃったため、最終的にリピート希望の方にもお声がけさせていただき、全部で8組の方々にご来院いただきました。

毎年獣医さん体験が終わった後、私は一人反省会をし、今年の内容はどうだったか(ワクワクするような内容だったか、ここでしか体験できないような珍しい体験だったか、子供たちが疲れすぎる内容ではなかったか、難しすぎなかったか、危険な場面はなかったか、前後の診療に支障がないか)を検証していて、次に活かせるようにしています。今年の獣医さん体験も、去年の検証がプラスになるよう工夫しました。

1時間枠の中で、院長に付いてもらう30分、看護師スタッフに付いてもらう30分と区切って体験してもらっているのですが、毎年どうしても院長側の体験が長くなりがちだったため、今年から看護師スタッフ担当の体験を増やすことにしました♪

今年行った内容は、聴診体験膀胱エコー体験採血体験静脈注射体験腹水抜去体験サクションポンプ使用体験レントゲン防護服体験手術体験です。

聴診体験では、実際に我々が使用している聴診器を使い、心音BOXから正常な心音と異常のある心音を聞き分けてみます。こちらは毎年変わらず行ってる定番の体験です。

心雑音を聞いて、「カエルみたいな音がする・・」と表現されるお子さんもいらっしゃって、お子さんならではの感性が素晴らしいなと感じました。

エコー体験では、膀胱(水風船)にある石(ビーズ)を見つけてもらうのですが、みなさん上手にエコーのプローブを当てて膀胱結石を画面上に映し出せていました。(院長から撮れたエコー写真プレゼントしてもらっているお子様もいらっしゃいました^^)

採血体験では、犬猫が主にどこから採血をするのか/その血管がなんという名前なのかを看護師スタッフに説明を受けながら、ご自身で好きな血管を選んで1ml採血してもらいます。

静脈注射体験では、薬剤の入っている(と見立ててある)バイアルからお薬を吸って、血管内に投与する体験をしました。

今年新たに用意した体験グッズは、看護師スタッフも興味津々で、獣医さん体験の合間に自分たちもやりたいと体験していました🤭

どういうことに気をつけながら針を扱うのか、刺すときの角度はどのくらいなのか、、

実は我々が日々行っている1つ1つのちょっとした動作も、実は知識経験に基づいて行われているものなのです。

腹水抜去体験では、シリンジに三方活栓と呼ばれるパーツを取り付け、翼状針という針を装着し腹部を穿刺します。

取れた腹水は膿盆と呼ばれるトレイに排液していきます。使用した医療器具の名前の由来や、どうしてそのような形をしているのかもスタッフから説明を受けました。

サクションポンプの使用体験では、どのような場面でこの機械が使われるかの説明を受けた後、ぬいぐるみの腹部・膀胱に溜まってあるお水を空になるまで吸引する体験をしてもらいました。

(実際にそのような使い方をすることはないのですが尿道カテーテルの挿入体験も兼ねて尿道に見立てた管から膀胱に溜まったお水もサクションを使って抜いてもらいました。)

こちらの体験は手術室で行ったので、ついでに無影灯の説明も受けてもらいました。無影灯は、手術室の象徴ともいえるライトですよね。

サクションは、ただ液を吸うだけの機械ですが、こちらは重い手術の時に登場しがちだったりします^^;

吸い上げた液体はこの容器↓の中に溜まっていきます。

過去にこれがなみなみになるくらいの血液を腹腔内から吸い上げたこともありました。

かつて行っていた手術体験も、今年装い新たに復活させることにしました。

何度でも繰り返し練習できる手術キットの登場です。

手術の時の縫合方法は様々ありますが、一番よく使われる縫い方を今回子供達に学んでもらうことにしました。

こちらも、使用する器具の持ち方からレクチャーしていきます。

手術器具の持ち方は、工作ハサミの持ち方とはちょっと違うのです。

慣れない持ち方の中、初めて見る糸の結び方に子供たちだけでなくお母様お父様も興味津々。

この手術の縫合方法を見られて、「不思議!魔法みたい!」とおっしゃられる方もいました。

お母様の中には、ご自身が帝王切開などを受けられた経験があり、「抜糸も痛かったなぁ〜…」と、お子様が結べた糸を抜糸しているときに思い出されている場面もありました。

レントゲンの防護服着用体験では、放射線から身を守るため、レントゲン室がどのような構造になっているか、防護服やカーテンがどうしてこんなに重いのかの説明も受けます。

小さい体に、重い防護服を着用してもらいました。

実際のお仕事中は、この重さの防護服を着ながら大型犬を抱っこすることもあるのです。(それでも昔の防護服よりは軽くなってると思いますよ!!)獣医さん・動物看護師は体力勝負!!

また、実際にあった症例として、飼い主様のネックレスを飲み込んでしまったワンちゃんのレントゲンや、お腹に赤ちゃんのいるワンちゃんのレントゲンなども見てもらいました。

 

今年は内容盛りだくさんで、30分30分みっちり獣医さん体験を行うことができたと思います。

 

参加されたお子様の中には、将来獣医さんになりたいとおっしゃってくれる子もいて、とても嬉しい気持ちになりました。

獣医さんは、もちろん動物の死とも向き合わなければならない時も多いし、悲しい経験や色々な悩むことも多いけれど、動物も人間も幸せにできるとっても素晴らしい職業だと思います。

ぜひ今回の経験をもとに、将来大きくなってたくさんの命と向き合える心優しい獣医さんになってくれたら嬉しいです。