スタッフブログ

2024.12.23

お水とトイレのお話 (1)

インスタでも注意を促しましたが、先週水曜日頃から膀胱炎の子が急増しております。

膀胱炎症状というのは、おしっこの色が赤い、何回もトイレに行く、トイレ中唸り声をあげる、トイレに行くけれど、出ていない。といったものが主なものです。

これらの症状は猫ちゃんがトイレをしているところを人が目撃していたり、デオトイレを使っていると発見が早いのですが、

多頭飼いだったり、飼い主さんが留守にしている時間が多いと、なかなか気づかれにくいものです。

なぜ寒い時期に多発するかというと、

①お水を飲む量が減ったり、運動量が減ることで、おしっこが濃縮され膀胱に細菌や尿結石が留まりやすくなる

②寒さや飲水量の低下で循環が悪くなり排尿回数が減る

③寒さで免疫力が低下し、細菌に対する抵抗が落ちる

といった原因が考えられます。

 

膀胱結石による膀胱炎・細菌性膀胱炎の他、若い猫ちゃん(およそ8歳頃まで)の場合は特発性膀胱炎といって原因があまりはっきりしない膀胱炎を繰り返すこともあります。

※特発性膀胱炎の原因の一つとしてはストレスが考えられています。我が家の至花(しはる)もこの特発性膀胱炎で苦しめられた1人。ストレスから膀胱粘膜に炎症が起き、尿成分の刺激に耐えられず血尿を引き起こしてしまうようです(思い起こせば、かくいう私も国家試験の日程の中膀胱炎となった1人^^;)

 

膀胱炎の原因から考え、今できる一番の対策としては、まず飲水量を増やすことと〝トイレを我慢させない〟ことです。ちなみに、飲水量を増やすことは膀胱炎を防ぐだけでなく、腎臓病にとってもより良い対策となります。

ではどのようにすれば飲水量が増えるでしょう??

 

それはまず①『飲みたい』と思ってもらえるようなお水にすること。 ②気軽に飲んでもらえるようにすること。です。

 

さて、①動物たちが飲みたいと思えるお水って、どんなものでしょうか。 

それは〝美味しそうな気がすること〟です。 

 

飲み水にささみの茹で汁を少し垂らしたり、その他大好物の香りを加えるだけで、まるでただの水ではなく、スープを飲んでいるような気分が味わえる・・と思ってくれるかもしれません。(あまり多くを加えると、それが結石の原因になりかねることもあるので注意が必要です。)

 

次に、どうすれば②気軽に感じてもらえるかというと、飲み水を動物が行く先々に設置するということ。

人間も、ちょっと喉が渇いても、わざわざ歩いて行かないと飲めないところに給水所があれば『我慢するか』と思うところ、すぐ手の届くところにウォーターサーバーや自販機があれば気軽に飲み物を飲むようになるでしょう。動物たちも同じで、気がついた時にすぐ飲めるお水があれば、ちょこちょこ飲むようになってくれます。

※ただし、置きっぱなしになってお水が悪くなっていたり、冷たすぎたり、容器が気に入らないと飲まない子もいるので注意。猫ちゃんは特に敏感です。お水は悪くなりにくい水道水を、温度刺激のない常温(人肌くらいのぬるま湯)で、臭いのつきにくい陶器のお皿に入れる。がおすすめです。頻繁に新鮮なお水に変えてあげるとさらに喜びます。)

 

↓お水を新しくしてあげると、猫が続々寄ってきます。 新しいお水、大好き。

でも誰が先に並んでいても、横入りしてくるツチが結局一番に飲むのです。

その他の対策としては、猫用経口補水液を使用することもできます。

 

当院ではハイドラケアという製品を扱っていますが、この製品は猫の嗜好性を考えた設計になっており、様々なケースで起こる日常生活の中での飲水量不足を補う目的で使用することができます。詳しくは当院スタッフまでお気軽にご相談ください。