今日はバレンタインデーですね。
毎年、お子さんがお友達からもらったチョコを盗み食いしてしまった!というワンちゃんのご来院がありますが、今年はどうなるでしょうか…
バレンタインフェアをしているお店を覗くと、カカオの価格が高騰しているためか、一時期流行ったカカオ90%などのチョコも見かけることが少なくなり、今年はナッツやマシュマロ・クッキーなどを混ぜ合わせたチョコレートが多いような気がしています。
話題のドバイチョコレートもまだ食べたことはないですが、とても美味しそうでいつか食べてみたいです!
もしワンちゃんがチョコを食べてしまった場合は、チョコレート中毒により下痢・嘔吐・腹痛・ふらつき等さまざまな症状を引き起こす可能性がありますが、中毒を引き起こす量はその子の体重や食べた量、そしてチョコに含まれるテオブロミンの含有量により異なります。
一昔前のようにハイカカオチョコレートの流通が少なくなり、その頃に比べると危険性は少し下がったのかもしれませんが、もしチョコレートを食べてしまったという場合は、すぐにかかりつけの先生に相談してくださいね。(もし食べてすぐの場合だと吐かせることができるので、早めに相談するのが吉です。)
ところで皆さんは、フェアトレードチョコレートというものをご存知でしょうか。フェアトレードとは、公正な取引を行い、生産に携わる人たちの安定した生活や生産される品物の品質を守る仕組みのことを指します。
カカオの生産地は、ガーナやコートジボワール、エクアドル、インドネシアといった、貧困に喘ぐ人たちが多くいる地域です。
カカオを生産している人たちを安い賃金で働かせていれば、我々は結果として安く気軽にチョコレートを購入することができますが、無理な労働環境で大量生産をするため、品質の低下を招く危惧や、人道的な観点から見ても良くない方向に向いてしまいます。
フェアトレードという仕組みを用いることで貧困に苦しむ人の生活がより良くなり、労働を強いられている子どもたちが教育を受けるきっかけとなったり、粗悪な品物が生産されることを防ぐことにつながります。
最近は色々な物の値段が上がり、できるだけ安いものを求めてしまう傾向もやむを得ないところがありますが、
背景にある生産・流通を知ると、果たして目にみえるものだけで選択をしてもいいのか?と疑問が生まれます。
卵を1つ例にとっても、
狭い檻に入れられ、成長ホルモンや抗生剤の使用により大量に産み落とすよう管理された鶏から作られた卵なのか、
それとも美味しいご飯を与えられ、広い大地を自由に駆け巡りストレスなく育てられた鶏から作られた卵なのか。
ストレスなく育てられた卵の方が美味しいから。という理由だけでなく、動物の福祉の観点からも、どちらの卵を購入するか、背景を知ると選択を変える方も少なくないと思います。
平飼い卵も、いわば人間と鶏とのフェアトレードと言えるかも知れません。
買い物は投票と同じで、需要がなくなってしまうと、生産することができなくなってしまいます。
動物の福祉を重視して、少し高くても平飼い卵を選択すれば、そのような育て方をする農家さんを守ることにつながります。
このように、世の中には、同じ商品でも価格が違うものがあるのは〝見えない部分〟に隠れた真実があるためです。
本当に全く同じ商品であっても、食品に限らず、コスト削減のため温度湿度・衛生管理が疎かとなっている劣悪環境で保管されているものもあるかもしれません。
自分たちが何を大切にするのかによって、選ばれる基準は様々ですが、ぜひ見えないものにも目をむけ、身近な人だけでなく広い世界であらゆる人や動物が幸せになれる選択ができるといいなと思っています。