4月23日(水) 今日は朝からどんより曇っており、お日様が出ていないため肌寒く感じました。
我が家の子供達にも登校時、上着を羽織っていくよう伝えたのですが、中には冬真っ只中に着ていた内側がモコモコの、超厚手パーカーを着ていこうとしていた子もいたので、「流石にそれはやめて!」と止めました。
もう世の中的に冬物の洋服なんて衣替えで片付けてしまった後だろうに、未だにあんな厚い冬物を着ようとしているなんて・・・。と朝イチうちの子にガックリ・・。
「動物さえこれからの季節に相応しい装いになっていこうとしているのに!」と、怒りながらぼんやりと数日前の病院での光景を思い出した私です。
ダブルコートのワンちゃんは、4月〜7月にかけての時期に、冬の寒さから体を守ってくれたふわふわで密度の濃い毛が抜け、通気性の良い、硬くてしっかりした毛に生え変わってきます。
トリミングやグルーミングでご来院されたわんちゃんからも、各々冬毛が大量に収穫されています!
特に毎度大収穫となるのが柴犬さんたちで、無限ブラッシングができそうなくらい、やればやるほど冬毛が抜けています。
こちらの柴犬さんからは枕が1個できそうなくらい抜けました。(スタッフがハート型に配置していました)
一体どこにそんな隠し持っていたの??!とみんなびっくりするほど。着ぐるみ1層脱ぎ捨てたかのようです。
軽い毛とはいえ、ここまで抜けると、本人もなんとなく体が軽くなった気分がしているのではないでしょうか?
↓「なんかスッキリ。。」な柴さん
↓スタッフから、「ほら。こんなに抜けたよ」と見せられている柴さん。
換毛期は、犬種や日光に当たる時間や外気に当たる時間など、その子のいる環境により起こる時期が多少は異なります。
室内飼いで年中同じくらいの気温で過ごせる環境になった現代では、はっきりとした換毛期のない子もいますが、換毛は私たちのように全身から汗をかくことのできないワンちゃんが季節の温度変化に適応できるための大切な現象です。
抜けた毛は、放置するとフェルトのように密になり、ブラシのコームが入らなくなってしまいます。フェルト状になった毛玉はブラッシングでは歯が立たないため、最終的にバリカンなどによる除去が必要となります。
しかし密集した毛の下は蒸れて細菌が増殖し、皮膚炎を起こしていることが多いため、痛みや痒みを伴う箇所の毛玉の除去にはワンちゃんにかなりのストレスを与えてしまいます。
このような状態にならないよう、普段からのこまめなブラッシングが大切になります。とはいえ、今までブラッシングをしたことのない子に、いきなり行おうとしてもなかなか難しいものです。
小さい頃から〝ブラッシングをすることは当たり前のこと〟と刷り込んであげることが大切で、その中で〝ブラッシングをする時間は楽しい時間〟と思ってもらわなければいけません。
そんな時に役立つのがおやつです。
「いつもはもらえないような特別大好きなおやつをブラッシングの時だけはもらえる!」となると、多少のことは気が紛れて耐えてくれるかもしれません。
換毛期は、毛の生え替わりに多くのエネルギーを使うため、栄養をしっかり摂ることが大切です。
特に良質なタンパク質が必要なため、ブラッシング時のおやつには鶏のささみなどタンパク質の豊富なものを選択してあげても良いかもしれません。
ここで注意したいのは、人間と同じく、おやつはあくまで食事で補えない栄養や水分を摂取する目的としての位置付けであるということを忘れないことです。いくらご褒美とはいえ、栄養〝補助〟を超えるような量を与えてしまってはいけません。
人間で想像するとわかりやすいですが、ご褒美で毎度毎度ステーキや寿司が出てきたら、おやつ・ご褒美の範疇を超えて、もはや食事が1回増えるようなカウントになってしまいます。
カロリー過多になりすぎないよう気をつけながら、上手におやつを使ってブラッシングトレーニングと良いでしょう。
ブラッシングのタイミングとしては、お散歩後に行うと、マダニチェックにもなり、とても良いと思います。(お散歩でマダニをつけていらっしゃるからが4月に入ってから特に急増しています!!)
ブラッシングに使うコームも、ワンちゃんにとって好みもありますので、飼い主さんの使いやすさとワンちゃん側の心地よさのバランスを取りながら選ばれるといいですね。
↓とある日の、グルーミング時のスタッフの姿。
グルーミング用帽子、買ってあげようかな・・・