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2019.02.04

歌詞の中で学ぶ

我が家には小さい子がいるため、よく“おかあさんといっしょ”の番組を観ることが多いのですが、子供番組の歌って、ついつい口ずさんでしまうことがあります。

1、2回聴いただけで覚えられる曲。作ってる人は凄いなぁ!と感心してしまいます。(今流行りのJ-Popはもうほとんど覚えられません😂)

 

おかあさんといっしょの中で“さがそっ!”という歌があり、子供達も大好きなので車の中などでよく歌うのですが、歌詞の一部に、動物病院で働いているがゆえ(?)、天邪鬼にツッコミを入れたくなる部分がありまして・・・(^_^;)

それが

ねっころがって おおあくびの
ポチのくちのなかの むしばいきん!

という部分。

 

『なんて夢のないことを言うんだー😫』と言われてしまうかもしれませんが、、、ワンちゃんは虫歯になることはほとんど無いんです👩‍⚕️  ワンちゃんの口の中は人間と違い、虫バイキン(ミュータンス菌)が繁殖できる環境ではないためです。(もちろん虫歯になる可能性はゼロではありません)

ワンちゃんは、人間のように黒く穴が開く虫歯(齲蝕)にはなりにくいですが、そのかわりトレポネーラ菌などが起こす“歯周病”にはなりやすいんです。

 

まさか子供の歌の歌詞でそんなツッコミ必要ないですし、    ねっころがって おおあくびの
ポチのくちのなかの ししゅうびょうきん! なんて歌う必要もないですから、私の心の中にそっとしまい込んでおけば良いのですけど、お子さんに『ワンちゃんはあんまり虫歯にはならないんだって!』とお話のネタにしてもらえたら面白いかな?と記事を書いてみました(^^;;

 

そして虫歯にならないから安心というわけでもなく、歯周病もとてもこわい病気です。

ワンちゃん猫ちゃんは毎食後歯磨きすることがないために2日ほどで歯垢が蓄積し、歯石になってしまいます。

一度ついた歯石は歯磨きでは落とせません。さらに表面についた菌よりも、歯肉の奥深くに入り込んだ嫌気性菌の方が体に悪影響を与えるため、麻酔下で、歯周ポケットの中までしっかり汚れを除去することが最良となります。

麻酔のリスクから、なんとか麻酔なしで処置してほしい。と言う方もいらっしゃいますが、ワンちゃんに恐怖心を与えないためにも、処置を隅々まで丁寧に行うためにも、麻酔下で処置する方が負担も少なくなります。

 

今では室内飼いのワンちゃんがほとんどを占め、人間とのコミュニケーションも密接になっているからこそ、ワンちゃんのお口の中の健康も維持したいものです。歯周病のひどいワンちゃんのお口の中を顕微鏡で見ると、細菌が多数おり、トリコモナスという原虫がウヨウヨしていることもあります。免疫の弱い小さなお子さんご高齢のご家族がいらっしゃる場合は特に、ワンちゃんのお口の中を定期的にチェックし、綺麗にしてあげることをお勧めします。